しぐれ庵

ロンリー・ウーマンが棲む自由空間から発信します。

有働由美子に期待はずれ

有働由美子がNHKの「あさイチ」のキャスターを担当していたのは、2010年3月29日から2018年3月30日まで。
その間、「あさイチ」を録画して、わたしは有働由美子アナウンサーに注目していた。
有働由美子が担当していた「あさイチ」は、骨のあるテーマをとりあげていたのに感心した。
有働由美子とイノッチとのかけあいも楽しめた。
柳澤秀夫については発言内容がちょっとはずれていたが、それも許せるほど雰囲気のよい番組だった。
オープニングの「朝ドラ受け」もおもしろく、楽しみにしていた。
こんなおもしろい「あさイチ」を制作する存在が気になった。
チーフ・プロデューサーの河瀬大作の成果が大きいようだが、スタッフの結集力だろう。

2018年10月1日、「みなさんと会話するニュース」としてリニューアルした、日本テレビの報道番組「news zero」がスタートした。
同年3月31日、27年在職したNHKを退職してフリーアナウンサーになった有働由美子が、メインキャスターを務めているので、録画して観つづけてきた。
が、期待はずれという感が強い。

どこか借り物のような居心地の悪い有働由美子を感じてしまうのは、わたしだけだろうか?
月曜レギュラーの櫻井翔が有働由美子の横に座ると、メインにみえるほど落ち着きがある。
ゲストにユニークな人間が多く登場したが、活かしきれていない。
番組終了後にかぶさるゼロテーマ曲も、深夜番組にしてはテンションが高すぎて違和感がある。

  §

わたしが最も興味があるのは火曜レギュラーの落合陽一である。
最初に落合陽一を観たのは、わたしが好感をもつ古市憲寿が司会をしている、NHKEテレ「ニッポンのジレンマ」に出演していた姿だ。
そのとき何者か知らなかったのだが、魔女みたいなブラックのワンピースに近い服を着て、早口で雄弁に語っているのに魅了された。
自分のことを「先生」といったので、大学の先生だろうと思った。
のちに調べてみたら、やはり大学の先生だったが、ハンパない業績を残していた。
高校時代からヨウジヤマモトの服しか着ないので、いつもブラックに身を包んでいる。

睡眠時間を生存を脅かすほど短縮し、過労死してもおかしくない生活ぶりの落合陽一がテレビ出演しているのは、高齢者などネットに親しんでいないひとたちにも声を届けたいからだという。
落合陽一の本業を知らずに「ああ、テレビにでていたひとね」といわれるのを、肯定している。
「AI社会になれば奪いあいがなくなり、ピースフルな社会になる」と語っていたのが印象深い。

落合陽一の息子さんは、2017年4月に口唇口蓋裂で生まれてきた。
抵抗を感じるようなリアルな写真を、落合陽一はTwitterに投稿している。
その目的について、「口唇口蓋裂児の父になったときに数時間パニクったので、ネットで検索可能な行動事例が父親の視点とともにアーカイブされていると当事者に救いになると思ったから」とのこと。
息子のプライバシーを侵害していることについては、のちに了承を得たい、と。

写真でみる息子さんは、父親を超えそうな予感がある。
息子さんの写真が科学者の視点で撮られているようにみえるのが、わたしは気に入っている。

2018年10月、息子さんは口唇口蓋裂の手術を受けた。
手術を控え、病室で出産まじかの妻の写真を落合陽一が、Twitterに投稿していた。
その憂い顔が、わたしのこころに突き刺さった。

手術直後の10月23日、落合陽一は「news zero」に出演した。
最後に息子さんについて軽く触れただけで終わってしまったのが、とても残念だった。
短時間でも口唇口蓋裂の息子さんの写真について語れば、同じお子さんをもつ親だけではなく、広く理解を深めることができただろう。
テレビの視聴者数は侮れないのだから。

落合陽一がTwitterに投稿した息子さんの口唇口蓋裂の写真は、貴重なデータである。
治癒してゆく経緯が一目瞭然なので、同じお子さんをもつ親にとり心強いだろう。
また落合陽一は、入院中の息子さんのためにたくさんの玩具を買いこみ、退院時に病院に寄付したという。
なかなかできないことだろう。

息子さんは赤ちゃん時代からスマホ・タブレット・ロボットを与えられ、親しんできた。
入院中も、スマホ・タブレットは必須である。
自宅でも、人間コンピューターとして認識している息子さん相手に、実験をつづけている落合陽一なのである。

  §

落合陽一は火曜日にレギュラー出演したあと、「今日もかわいい有働さん」と称してTwitterに自らのカメラで撮影した写真を投稿している。
たしかに有働由美子はかわいいのだが、番組終了時になにも残らないという虚しさがある。

2018年末の「newszero」は特別版で、落合陽一と矢部太郎が出演していた。
「あさイチ」時代を彷彿とさせた有働由美子だった。
イノッチと柳澤秀夫を相手にしていたときのように、有働を支持するふたりの人間との絡みでニュースではない内容の場合に、彼女は輝けるのではないだろうか。
ちなみに、有働・イノッチ・柳澤が去ったあとの「あさイチ」はつまらないので、録画していない。
有働アナ時代には企画がすばらしかったが、いまはフツウの番組になってしまった。

あらためて有働由美子の魅力とはなにか、考えてしまう。
わたしは録画して観ているが、リアルタイムで観ているひとは、「newszero」になにを期待しているのだろう?

最近は、落合陽一がレギュラー出演している火曜日しか録画していない。
いつも笑顔だった有働由美子が、いつのまにかマジメな顔になっている。
ニュース番組の顔としてはいいのかもしれないが、視聴率の低迷が一因なのだろうか。

有働由美子の本質を最もよく理解しているのは、マツコだと思う。
マツコは、有働由美子にどのようなアドバイスをしているのだろう。