しぐれ庵

ロンリー・ウーマンが棲む自由空間から発信します。

エンジェルス 今季最終戦

9月30日(日本時間10月1日)、今季最終となったアスレチック戦、大谷翔平は3番・DHで出場した。
凡退つづきで迎えた9回裏、大谷はボール1、ストライク2という追いつめられたカウントで、高めの速球を中前にはじき返した。
つづくマルテの2塁打で、大谷は1塁から一気に生還する俊足ぶりをみせつけた。
1点差となり、エンジェルスのベンチが沸いた。

つぎにルーキーのウォードが逆転サヨナラ2ランを放ち、エンジェルスは粘り勝ちした。

最終戦をエンジェルスは、劇的勝利で締めくくった。

試合終了後、慌ただしい空気のなか大谷が短いインタビューに応えた。
毎日、楽しかった、エンジェルスでプレーできて幸せだった、と。
同時に、球場のスクリーンには退任の記者会見をするソーシア監督の姿が映しだされていた。
インタビューを終えた大谷は、足早にベンチの奥に消えた。

いままで退任の噂を否定していたソーシア監督は、会見でトラウトらの選手が見守るなか、「とても幸せな男だ。指揮するのが好きだった。すばらしい経験をした」と涙ながらに語った。

ソーシア監督、エンジェルスでの19年間、お疲れさまでした‼
人相の悪い監督が多いなか、ソーシア監督の品のある顔がわたしは好きだった。
審判に抗議して退場になった試合が2回あったけれど、投手陣が軟弱で自滅した試合が多くても、ポーカーフェイスのソーシア監督に救われた。
選手にあまりにも失望した場面では、首を振っていたが、露骨に不愉快な顔をみせなかった。

最期の1年、ソーシア監督と大谷翔平は、まさに一期一会だった。
球場での監督は、わたしには大谷翔平のお父さんにみえていた。
試合中に大谷にトラブルが発生すると、ソーシア監督が飛びだしてきた。
もちろん監督として心配だろうが、子どもに対する父親の姿にみえてしかたがなかった。

エンジェルスから再契約を求められているトラウトも、2020年には移籍するだろう。

    §

10月1日、大谷翔平がア・リーグで9月の月間最優秀賞新人に選ばれた。
4月につづいて2度目。
ア・リーグの月間MVPにはトラウトが選ばれた。

ア・リーグの新人王候補に大谷は挙がっている。
大谷が対戦して最も印象に残った投手として名前を挙げたバーランダー投手も、大谷を新人賞に推している。
11月に発表される新人王は、大谷翔平だろう。
ほかの選手と比較できない偉業をなしたから。
二刀流だけではなく、右肘を損傷しながらも、すばらしい成績を残した。
投手として10試合に先発登板し、4勝2敗、防御率3・31。
打者として104試合で打率2割8分5厘、22本塁打、61打点、10盗塁。

こうして成績を数字で並べると、BS1の中継を録画し、LIVEを観てきたわたしには、印象的な場面が幾つも浮かぶ。
試合の結果と感想をLINEで友だちに送信し、大谷翔平を共有してきた。
かなりの時間とエネルギーを費やしてきた。
投手としての大谷を観るのはストレスを伴ったが、過去に投げた映像が流れると、カッコいいなと思う。
チームメイトと笑顔でじゃれあっている大谷もかわいいが、一匹狼としてマウンドに立つ大谷に魅了される。

大谷翔平の新人としての輝かしい成績とは別の次元で、最大の功績は「みんなをワクワクさせハッピーにした」ことだと思う。
弱肉強食のメジャーリーグの世界に野球少年がまぎれこんで、なにやら大活躍しているという清々しさは、ひとびとを平和に導く。    

    § 

最終試合の余韻に浸る間もなく、翌日の10月1日(日本時間2日)午前、大谷はロサンゼルス市内でトミー・ジョン手術を受け、成功したという。
手術をしたのはスーパードクター・エラトロッシュ医師。

「一からやり直したい」とリハビリへの抱負を語った大谷。
「凡退にも意味がある」という哲学をもつ大谷は、投手としてリハビリしながら打者として活躍する来季、まちがいなく進化しているだろう。

2020年に二刀流の大谷翔平が観られるよう、わたしは祈りつづけたい。